活動報告 2017(一部紹介)
【研究発表】2017.11.04(土)
「民俗芸能を対象にした教材制作」
映像による身体技法の記録と図表による
囃子演奏法の視覚化の試み
下田雄次
〔岩手民俗の会:平成29年度第2回研究発表会、いわて県民情報センター(アイーナ)6階 会議室602〕
地域の芸能団体の伝承活動を支援するために、あるいは将来想定される休止からの復興のために、映像による記録(師匠たちの指導の様子や踊り方)、あるいは笛の運指表作成(目安として)や文字による記述といった方法を用いて何ができるか?どのような可能性が考えられるか?といった内容です。
これまで映像を用いた記録作業といえば、上演される芸能の姿「芸能伝承の結果」を撮影することが多く行われてきました。これは今後も必要であり、大前提になる作業です。
しかしながら、現在、いよいよ休止の危機に瀕している芸能団体が増加している状況では、その芸能をいかにして維持してゆくかといった問題があります。
そのために必要な情報は公演の場よりも、むしろ普段の練習会の場にあり、そこで伝えられる内容を記録するという取り組みが求められますが、このような取り組みはこれからの課題です。
現在「北文研」では、まさにこのような映像記録の制作に取り組んでおりまして、今回は平内町の獅子舞と剣舞踊りを対象にした現在進行中の仕事を事例として紹介しました。
【自主企画】2017.10.07(土)
「武士ナイフ・焼き入れ体験会」
焼刃土の作業(土おき)と焼き入れ作業の体験
企画・技術担当:外崎原人
技術指導:刀匠 山内国忠氏
黒石市内
「武士ナイフ」とは15センチ以下のミニ刀です。当企画ではこの武士ナイフに刃紋をつける作業を参加者の方々に体験していただきました。
体験会は以下のような作業を中心に進められました。
①まず「土置き」から。刃紋をつくるには焼刃土という土を使います。この土を、泥状にしたものを、刀身の両面に壁を塗るようにして塗ってゆきます(土を置くといいます)。すでに形成された武士ナイフにヘラを使って焼刃土を置き刃紋をつける作業をしていただきました。土の付け方で刃紋の模様が決まってゆきます。
次に刃の部分だけこの土を取り除いてゆきます。この土の取り方で刃紋の形が決まります。ここが面白いところです。その次に土を乾かします。ここまでが「土置き」の作業です。
②ここから「焼入れ」の作業になります。焼入れは刀身(鋼)を硬くするために行います。先ほど土を置いた刀身を、1100度ほどの炭火の中に入れます。刀身が赤くなるまで熱します。
次に、十分に熱した刀身を水の中に入れて急激に冷却します。
刃紋をつける作業について、本来は刀身に強度を持たせるための工程で生じるものですが、この模様を描く作業を皆様に体験していただくことを目的にしましたのが今回の企画です。
【協力】2017.10.14(土)
武士道場(武術稽古研究会 修武堂)
「弘前藩伝・林崎新夢想流居合の実演、解説、指導」
下田雄次、外崎原人、他
〔武術研究稽古会 集武堂:「武士道場」林崎新夢想流居合 弘前市内 武家屋敷 旧梅田家〕
【講演・ワークショップ】2017.03.25(土)
「鳥井野獅子踊のこれからを考える」
下田雄次
〔鳥井野獅子踊保存会(平内町):鳥井野獅子踊文化財指定30周年記念事業 弘前市内 鳥井野地区〕